林純薬 – 電子材料、試薬、標準品の製造、販売林純薬 – 電子材料、試薬、標準品の製造、販売

2008年

2008年05月26日製品情報

高性能シリコンエッチング液の共同開発に成功

三洋半導体製造株式会社
林純薬工業株式会社

三洋半導体製造株式会社と林純薬工業株式会社
高性能シリコンエッチング液の共同開発に成功
MEMS 加工にも適用可能

 I. 概要

三洋半導体製造株式会社(社長:坂東淳史、以下三洋半導体製造)と林純薬工業株式会社(社長:入江正克、以下林純薬)とは、このほど半導体プロセスにおいてアルミニウム配線層を腐食することなく、シリコンをエッチングできる高性能なエッチング液の共同開発に成功しました。

本エッチング液をアルミニウム配線の形成工程後のシリコンエッチング工程に適用することにより、アルミニウムやアルミニウム合金を腐食することなく、シリコンのみを選択的にかつ高速に異方性エッチングすることが可能となりました。

林純薬はこのエッチング液を三洋半導体製造に供給し、三洋半導体製造の IC・LSI 製品の加工精度と信頼性の向上に寄与するとともに、半導体製造向けのみならず、今後市場の立ち上がりが期待される MEMS 製品の加工にも応用が期待できる薬液として、多くの企業に向けて提案していく予定です。

II. 開発背景

シリコンデバイスは、近年、従来の半導体(IC・LSI)製品のみならず MEMS として各種のセンサデバイスなどに応用されています。このようなシリコンデバイスは、高集積化、微細化、高感度化、高機能化などの種々の要求を満たすために、製造にあたってはマイクロマシニング技術を用いた微細加工を行います。マイクロマシニング技術においては所望の立体的な構造を形成するためにシリコンの異方性エッチング技術が用いられます。

従来よりシリコン半導体は電極や配線材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金が一般的に用いられていますが、これらの材料は異方性エッチング液では腐食しやすい性質を持っています。

したがってアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた配線層を形成した後にシリコンの異方性エッチングを行う場合には、エッチング液に各種のシリコンや酸化剤を添加する方法や、還元剤を添加する方法が試みられてきました。しかしながら、これらの方法では生産性に大きく関係するエッチング速度を犠牲にせずに、十分な防食効果を得ることはできませんでした。

このような状況に鑑み、エッチング速度を犠牲にすることなく、アルミニウムおよびアルミ合金に対する十分な防食効果のある異方性エッチング用薬液を実現することを目標に本共同開発は企画され、主として林純薬は薬液の試作、三洋半導体製造は試作品の評価を担当し開発を進めました。

III. 開発成果

本共同開発により高性能な異方性シリコンエッチング用薬液の開発に成功しました。今回開発した薬液は当初目的としていた特性に加え、卓越したシリコン異方性エッチング性能と優れた液ライフ(寿命)を実現しました。本薬液の主な特長は以下の通りです。

 (1) アルミニウム(Al)およびアルミ合金(AlCu 等)に対する十分な防食効果を実現
  AlCu のエッチングレート比較 既存薬液(TMAH 5% Si 含有):22 nm / 分
  (エッチング温度:75℃) 本薬液:0 nm / 分

 (2) 既存薬液以上のシリコンエッチング速度を実現
  シリコンのエッチングレート比較 既存薬液(TMAH 5% Si 含有):47.0µm / 時間
  (エッチング温度:75℃) 本薬液:59.0µm / 時間

 (3) 卓越したシリコン異方性エッチング性能
    1)マイクロピラミッドの発生を抑制し、平坦な底面を持つエッチングが可能(図1 参照)
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    2)ドライエッチングのダメージを受けた変質層をもつシリコンでも容易にシリコン異方性エッチングが可能(図2 参照)

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 (4) エッチングレートの経時劣化が少なく長期使用可能な薬液のため、コスト削減が可能
  シリコンのエッチングレート比較初期状態  : 59.0μm / 時間
  (エッチング温度保持:75℃) 7 日経過後 : 59.1μm / 時間

IV. 用語説明
(1) MEMS(メムス、Micro-Electro-Mechanical Systems)
MEMS は、半導体の微細加工技術を用いてシリコン基板上に微小な機械要素部品を形成する技術、または形成された部品を意味する。部品はマイクロマシンと呼ばれることもある。
応用製品としては加速度や圧力などのセンサがあるが、医療用への応用も期待されている。
(2) マイクロピラミッド
シリコントレンチエッチングを加工する際に問題となるマイクロオーダーのピラミッド状突起物(図3 参照)
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《企業プロフィール》
・三洋半導体製造株式会社
http://www.semic.sanyo.co.jp/ssmc/index.html
三洋半導体製造株式会社は、2005 年8 月、三洋電機株式会社の半導体前工程製造部門が分社独立して誕生しました。現在は2006 年7 月に発足した三洋半導体株式会社の100%子会社として、新潟県小千谷市に本社ならびに新潟工場をもち、群馬県邑楽郡の群馬工場、岐阜県安八郡の岐阜工場を合わせた3 拠点でのLSI(映像用、音響用、産機用)、ディスクリート(高周波デバイス・トランジスタ・MOSFET)などの半導体関連商品の製造を通じ、三洋電機グループのブランドビジョンである「Think GAIA」の実現のために、地球環境保全と豊かで快適な社会が同時実現する「共生進化」を追求しています。2008 年4 月現在の従業員は2514 名。

・林純薬工業株式会社
http://www.hpc-j.co.jp/
林純薬は、 1904 年(明治37 年)2 月、化学薬品の販売を目的に大阪道修町に創業しました。これまでは総合試薬メーカーとしての技術力と情報力を駆使し、試薬の研究開発・製造を通じ新製品の提供を行ってきましたが、近年ではめまぐるしく発展する液晶・半導体分野で使用される電子工業用薬品の製造販売に着手し、積極的に販売活動を進めています。さらなる研究開発を強化するために、2005 年6 月、三重県多気郡の三重工場内にテクノセンター(R&D)を竣工、ユーザーとの共同開発体制を構築し、性能評価を行い、新技術の提案や新製品の開発を行うなど、総合力を活かした業務展開を図っています。2008 年4 月末現在の従業員は286 名。

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