林純薬 – 電子材料、試薬、標準品の製造、販売林純薬 – 電子材料、試薬、標準品の製造、販売

2007年

2007年07月25日製品情報

高性能アルミニウム薄膜エッチング液の共同開発に成功

三洋半導体製造株式会社
林純薬工業株式会社

三洋半導体製造株式会社と林純薬工業株式会社
高性能アルミニウム薄膜エッチング液の共同開発に成功
MEMS 加工にも適用可能

  I.概要
三洋半導体製造株式会社(社長:重田典博、以下三洋半導体製造)と林純薬工業株式会社(社長:入江正克、以下林純薬)は、このほど半導体プロセスにおけるアルミニウム薄膜を制御良く除去できる高性能なエッチング液の共同開発に成功しました。

本エッチング液をアルミニウム配線の形成工程におけるアルミエッチングに適用することにより、良好な寸法加工性を維持しながら、フォトレジストに覆われたアルミニウム配線のエッジ部を、20°から60°の範囲で任意の角度(テーパー)にすることが可能となりました。

林純薬はこのエッチング液を三洋半導体製造に供給し、三洋半導体製造のIC・LSI 製品の加工精度と信頼性の向上に寄与するとともに、半導体製造向けのみならず、今後市場の立ち上がりが期待されるMEMS 製品の加工にも応用が期待できる薬液として、多くの企業に向けて提案していく予定です。

 

 

II. 開発背景
半導体(IC・LSI)製品の信頼性を決定付ける要因のひとつとして、シリコン・ウエハ最表面に形成される絶縁膜による下地の配線パターンの被覆性(ステップカバレジ)があります。通常この被覆性は、下地パターンのエッジ角(テーパー角)に依存し、角度が緩やかになるほど優れた被覆性が得られますが、ガスによるドライエッチングプロセスで加工されたアルミ配線のエッジはほぼ角度90°となるため、その後高価な加工技術を用いてアルミ配線間を埋め込み、最表面を平坦化する必要がありました。

一方、薬液を用いてアルミニウムをエッチング(ウエットエッチング)した場合、アルミニウム配線のパターンエッジに緩やかな角度がつくため、比較的安価に、良好な被覆性をもつ最終絶縁膜を形成できることが知られておりましたが、薬液でのウエットエッチングにはエッチングの制御性や均一性に実用上の問題がありました。

そうした状況に鑑み、比較的安価なウエットエッチング用薬液でありながら、制御性、寸法加工性およびそれらの均一性に優れた薬液を実現することを目標に本共同開発は企画され、主として林純薬は薬液の試作、三洋半導体製造は試作品の評価を担当し開発を進めました。

III. 開発成果
本開発で得られた高性能アルミニウムエッチング液の特長は以下の通りです。
 (1) Pure Al、Al-Cu、Al-Si-Cu 等の1μm以下の厚みの薄膜を制御よくエッチング可能
   (1μm以上の厚膜についても適切な前処理を行うことでエッチング可能です)
 (2) 20°から60°の範囲で、所望のテーパー形状(テーパー角)の形成が可能(下図)


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 (3) エッチング形状および寸法加工性が良好
 (4) エッチング面(テーパー面)に表面荒れが発生せず絶縁膜の被覆性に部分的低下がない
 (5) レジストへのダメージがない
 (6) 界面活性剤を使用しないため、薬液が長寿命
 (7) テーパー付のアルミエッジが得られるため、上部絶縁膜の被覆性が良好(下図)


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なお林純薬では、本アルミニウムエッチング液について、2007 年7 月25 日から東京ビッグサイトにて開催される第18 回マイクロマシン/MEMS 展において展示・発表を予定しています。

IV. 用語説明

(1) MEMS(メムス、Micro-Electro-Mechanical Systems)
MEMS は、半導体の微細加工技術を用いてシリコン基板上に微小な機械要素部品を形成する技術、または形成された部品を意味する。部品はマイクロマシンと呼ばれることもある。応用製品としては加速度や圧力などのセンサがあるが、医療用への応用も期待されている。

(2) ステップカバレジ(Step Coverage)
ステップカバレッジとは、段差部をもつ材料表面に金属膜や絶縁膜を成膜したときの段差部分の皮膜状態を示す指標で、以下のように定義される。
  ステップカバレッジ(%) = 段差部の膜厚/平坦部の膜厚 x 100

 

《企業プロフィール》
●三洋半導体製造株式会社
(http://www.semic.sanyo.co.jp/ssmc/index.html)
三洋半導体製造株式会社は、2005 年8 月、三洋電機株式会社の半導体前工程製造部門が分社独立して誕生しました。現在は2006 年7 月に発足した三洋半導体株式会社の100%子会社として、新潟県小千谷市に本社ならびに新潟工場をもち、群馬県邑楽郡の群馬工場、岐阜県安八郡の岐阜工場を合わせた3 拠点でのLSI(映像用、音響用、産機用)、ディスクリート(高周波デバイス・トランジスタ・MOSFET)、CCD センサなどの半導体関連商品の製造を通じ、三洋電機グループのブランドビジョンである「Think GAIA」の実現のために、地球環境保全と豊かで快適な社会が同時実現する「共生進化」を追求しています。2007 年4 月現在の従業員は2547 名。

●林純薬工業株式会社
http://www.hpc-j.co.jp/
林純薬工業株式会社は、 1904 年(明治37 年)2 月、化学薬品の販売を目的に大阪 道修町に創業しました。これまでは総合試薬メーカーとしての技術力と情報力を駆使し、試薬の研究開発・製造を通じ新製品の提供を行ってきましたが、近年ではめまぐるしく発展する液晶・半導体分野で使用される電子工業用薬品の製造販売に着手し、積極的に販売活動を進めています。さらなる研究開発を強化するために、2005 年6 月、三重県多気郡の三重工場内にテクノセンター(R&D)を竣工、ユーザーとの共同開発体制を構築し、性能評価を行い、新技術の提案や新製品の開発を行うなど、総合力を活かした業務展開を図っています。2007 年4 月現在の従業員は264 名。

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